<その3>樹脂ベアリングってなに?金属との違いは?

あらゆる環境でスムーズな運動を支える樹脂ベアリング。


ベアリングの基礎がわかったところで、いよいよ樹脂ベアリングの話をしよう。
ベアリングには「転がり軸受」と「すべり軸受」という分け方のほかに金属製と樹脂製という素材による特性もあるんだ。


樹脂って、プラスチックのことですよね。プラスチックというと、どこか金属より弱そうな気がするんですが。


わかるわかる。
でも、樹脂ベアリングに使われるプラスチックは「エンジニアリングプラスチック」という高性能なものなんだ。「エンジニアリングプラスチック」を使ったイグスのすべり軸受の中には、クルマ一台が乗っても壊れない荷重強度の高いものもあるんだよ。


へーーーすごい!
でも、熱にはどうですか?普通、プラスチックって、70℃ぐらいで柔らかくなってしまうんじゃないんですか。


そう思うだろう。でも、「エンジニアリングプラスチック」は基本的に100℃は大丈夫。イグスには耐熱 250℃という超耐熱性の材質もあるよ。それに、金属にはない特長もあるんだ。


というと?


ひとつ目は金属ベアリングには欠かせない、潤滑用の油やグリスがいらないこと。
油を使わないから、ホコリや粉塵が付着しにくいし、ほかの機械に油が付着することがない。とっても衛生的に使えるんだよ。メンテナンスも楽になるし、エコでもある。


でも、どうして油やグリスを使わずに、滑らかに動くんですか?


色々方法はあるけれど、イグスの場合は樹脂に固体潤滑剤が配合されているんだ。液体ではなく固体の潤滑剤だから、ドライに使用できるし、全体的に添加されてるから、こすれてなくなってしまうということもない。
ふたつ目として、樹脂は錆びないから、液体の中でも使えるよ。


水の中でも?


もちろん。
そしてみっつ目の特長。樹脂の性能を変えることでいろんな場所に対応できる。
たとえば金属が腐食してしまうような薬品の中でも、薬品に強い樹脂を使えばしっかり機能することができるんだ。
よっつ目は金属よりも軽いこと。金属製ベアリングと比べて重量が1/7になることもある。


なるほど。樹脂ってすごいんですね。じゃあ逆に金属の特長は?


ボールベアリングの中で回転する球には真円に近い精度が求められる。それを実現しやすいのが金属なんだ。またサイズの規格も確立されているから廉価で入手しやすい特徴がある。だからボールベアリングのような「転がり軸受」は、金属製が一般的だよ。


ベアリングの素材も、適材適所というわけですね


金属の「すべり軸受」もあわせて、金属ベアリングと樹脂ベアリングの特性をまとめてみたよ。

金属ベアリングと樹脂ベアリングの特長の違い

※一般的条件下における標準的な製品の比較例であり、仕様・環境等により異なる場合があります。


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